分銅に必要とされる校正の基準について

どんな構造で作られた計量器なのか

物の値を測るために用いる計量器には、様々な種類があります。家庭で日常的に使っている人も多いであろう、料理に使う計量スプーンでさえ計量器の一種です。そんな数多くの種類がある計量器の中で、とりわけ多いのが重さを測るものでしょう。物質がどのくらいの重さがあるのか、その数値をはじき出す方法に天秤があります。これに用いるのが、金属の塊でできた分銅で、例えば、測りたい物質を天秤にかけ、水平になれば同じ重さになるというシンプルな構造が特徴です。測定したい物質の方が重い場合は下がり、逆に軽ければ上に上がるという、非常にシンプルな構造で作られた計量器と言えます。

正しい数値を出すために求められることとは

はかりのように目盛りが表示される計量器は、使っているうちにどうしても誤差が生じるため、定期的にメンテナンスを行います。常に正しい数値を出せるようにするために必要なこのメンテナンスが、校正です。物の重さに合わせて天秤に付け変えることで重さを測る分銅には、メンテナンスは必要ないように感じる人も多いのではないでしょうか。けれど、計量器の一種である以上、正しい数値を出すために求められる基準があります。というのも、理科の実験で用いる上皿天秤や、電子天秤などの違いがあるからです。特に、電子天秤の場合は測定場所の重力によって値が変化するため、校正には標準となる基準が設けられています。この基準には、実用や標準、適合といった具合に分かれており、それぞれに見合ったスパンで校正が必要です。

材質によって見直し期間が異なる

計量器は使っているうちに微妙なずれが生じるため、定期的に見直す必要がありますが、その期間は計量器によって異なります。分銅の場合、材質によって見直し期間が変わります。具体的には、鋳鉄製が1年、特級は3年、ステンレスや黄銅では5年といった具合です。さらに、特定の決まりはないものの、1年に一度や3年以内のスパンで行うとされているものから、1年に一回以上は必ず行わなければならないなどと、校正期間にバラつきがあるのも分銅の特徴と言えるでしょう。そもそもが鋳鉄やステンレス、黄銅などといった様々な金属を塊にしたものを天秤にかけ、その重さを測定するという至ってシンプルな造りです。こうしたシンプルさが、様々な分野での使用を可能にしている反面、その基準の特定や期間の見直しについては、逆に曖昧な点も生み出していると言えるのではないでしょうか。

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